ルプルー・プネ
ルプルー・プネのワインとの関わりは、フランス革命の時代にさかのぼります。バリ・プネは最初に買った畑で採れたブドウを自分では圧搾機を持っていなかったのでネゴシアン(NM) *1に売ったのです。自分でシャンパーニュを作りたいという強い思いをもっていたルイ・ジルベール・プネは、1929年、世界恐慌の頃、ついにレコルタン・マニピュラン(RM)*2として出発しました。それを契機に掘ったセラーは、白亜の地中18メートルの深さにあり、ワインを最高のコンディションでねかせています。 ルイ・ジルベールの息子ジャン・マリーは“シャンパーニュ ジャン・マリー・プネ”のブランドで売っていましたが、長女フローレンスとジャン・ポール・ルプルの結婚を機にふたりが中心となってワインを作って行くことを記念して、ブランドを“シャンパーニュ ルプルー・プネ”と改めました。 ルプルー・プネは、モンターニュ・ド・ランスから下ったいわば谷間にある、歴史豊かなヴェルジー村にワイナリーとブドウ畑の一部をもっています。ヴェルジー村は6世紀に聖バリ(St.Basle)が隠遁生活を送った村であり、彼の起こした数々の奇跡にまつわる話が多く残っています。ただ、今ではヴェルジー村の人々の信仰は、彼の名を冠した小さな聖堂サン・バスル(St.Basles)でのワイン作りを保護し、この小さな村を守った聖ヴァンサン(St.Vincint)に向けられています。ヴェルジー村のブドウ畑は、シャンパーニュ地方の格付けで100%という数字を得ており、ここから作られるシャンパーニュは最高峰のグラン・クリュに格付けられます。 ルプルー・プネのブドウ畑は、ヴェルジー村のものを含め8ヘクタールにわたってモンターニュ・ド・ランス地区に広がっています。そこで収穫したブドウで作ったワインをブレンドし、完璧な風味と美しいまでのバランスを兼ね備えたシャンパーニュを作っています。
*1 ネゴシアン・マニピュラン(NM):自社ブドウと栽培農家から買い付けたブドウで醸造・販売を行っているメーカー
*2 レコルタン・マニピュラン(RM):シャンパーニュの自家栽培ブドウで醸造・販売を行う小規模生産者